2006/03/20
『・・・からだ全体は、一つ一つの部分がその力量にふさわしく働く力によって、しっかりと組み合わされ、結び合わされ、成長して、愛のうちに建てられるのです。』
聖書:エペソ書4章16節
精神障がい者入居施設には、いくつかのタイプがありますが、グループホームには、他の施設にはないメリットがあります。それは入居人数が5、6人ということです(とりわけハートフルトポスはまさに普通の家)。ですから、大家族のような温かい関わりさえ可能です。
ホームが自立を目指しての単なる通過地点としての場所ではなく、ホームにいる今から幸せな生活を楽しんでほしいと願っています。そんな幸せを感じられる中から希望や力を持って将来の目標に進んで行ってくれればと考えています。
ホームの中の生活で彼等は、確かに人との関わりを身近に体験して育まれて行きます。ある時には、親しく関わり、病気の事、趣味の事、経済的な事や異性の事など語り合います。でも、しんどい時には距離を持って関わることを身につけて行かれます。
入所当時には、人と関わることが苦手で、ぽつりといた人も、兄弟姉妹のように呼び合うようになり、助け合い、励まし合っている姿を見る時、私はうれしくて感動の涙を流すことがあります。ベテスダ5年、ノアは4年目、確実にお互いの関わり方が成長しています。例えば、入居された時にはなんとも殺風景な部屋の使い方だった方が、3年間を過ごすうち、雑誌を見て部屋の飾り付けを始めました。彼はラックを買って来たり、他のメンバーと河原町まで行って飾りのポスターを買って来たりして、先日は「僕の部屋を見てください。このラックにこれを飾って・・最高にいいです。」と笑顔で話してくれる姿に心和みました。
また、時には傷つけ合ったり、不和があったり・・・でも、そんな中から仲直りし、互いに病状を理解し合い、励まし合う。ホームの人間関係が建物が建て上げられるように建て上げられ成長して行くのを見ます。
さらに、最近はホーム卒業生が近くに住んで交流に来られ、一人暮らしの体験を聞くチャンスとなっています。そんな仲間同士の結びつきは、彼等の人生の大きな支えとなっているように感じます。
そして、人は近い人との関係が信頼し合うものとなる時、徐々に安心できる関係が拡大して組み合わされ、結び合わされて行く中に、大きな幸せを感じるんだなぁと、彼等を見ていてつくづく思います。